1大学生としての雑記

ふと思ったこと、考えたこと

梅田飛び降り自殺の撮影の是非について考える。

先日大阪梅田にて女学生の飛び降り自殺が起こった。私は友人がその映像をリツイートしたものをツイッターで見て知り、何故撮影するのだろうと頭に浮かんだ。トレンドで検索すると撮影した人を責める発言も多く見られた。しかしながらよくよく考えてみると、撮影を行うのを明確に否定する理由があるのだろうか?

はじめに、今回の一件で普通の自殺とは違うと感じたことを述べておきたい。それは、自ら目立つ場所で行ったところである。

 

 

さて、まず思い浮かぶのが、遺族への配慮である。当然の意見だと思うが、友人に話したところこのような意見が出た。

「自殺するように追い込んだ一端を、遺族はになっているのだから、遺族が(も)悪い。」

たしかに今回の一件問わず、その遺族は自殺の一つの原因であるかもしれない。しかしながら、それにより遺族に配慮する必要がないというのはいかがなものだろうか。それだけで遺族を責めて良いと言うのは論理的に成り立っていないし、さらに、自分の娘がこの世から急にいなくなった、そのことにより両親は自らを責めるかもしれない。それに追い打ちをかけるのは社会を成り立たせている相互扶助の精神に反しているのではないか!(強制するものではないだろうが、社会が相互扶助により成り立っているのは明らかに思われる。)

しかし私の欲しい理由はもっと絶対的なものである。遺族がいなければ、その人の死を弄んでいいとは思わない。

遺族感情を置いておいた仮定で、撮ることを肯定する側の意見としては以下のものが考えられるだろう。

1.自ら目立つ場所で行った。

2.自殺は人に迷惑である。

3.撮ることでなく拡散することが問題

4.ダメだという明確な理由がないから

(他にあればご指摘お願いします。)

 

まず1について。

これについては私は、何かメッセージがあったのではないかと思う。例えば止めて欲しいだとか。いずれにせよ、何かしらのメッセージがあるから目立つ方法を取ったわけで、仮にそれが止めて欲しいというメッセージなのだとすれば、それを無視し、自殺を促すように撮影したのは(自殺しなければならないような状況を作り出したのは)強い言い方をすれば一種の殺人ではないか。最後に目立ってやるぜ!という考えを取る人もあるかもしれないが、とにかく止めて欲しいという可能性があるのであれば、カメラを向けるのはやめた方が良いだろう。

 

次に2について。

自殺はたしかに迷惑かもしれない。公共交通機関も止まるし、大切な約束に遅れるかもしれない。しかし憎むべきは、そのように死にたい、と思わせるような環境(悪い労働環境、いじめ)であり、さらに上で述べた通り、この世は助け合いで成り立っている。「おいおい、いくら助け合いといっても限度があるだろう!」という人がいるかもしれない。しかしながら、いつ私たちが自殺に追い込まれるかわからない世の中であり、だからこそ人が追い込まれているときは助けなければならない。例えば、私たちは今、高齢者保険制度の対象ではないがそのために税金を納めている。それは将来歳をとった時のために納めているのであって、善意から納めているわけではない。つまり自殺に追い込まれていそうな人の心に配慮することは、自分が追い込まれた時のための保険なのだ。情けは人の為ならず、とはよくいったものだ。

 

次に3について。

この考えは友人に言われ、初めて気づいた。が、撮って見返すためだけで満足する人はいないだろう。SNSでないにしろ友人に見せ、その友人もまた友人に見せるかもしれない。その点では拡散している。

 

最後に4について。

撮影がダメだという理由が明確にない。確かに法律で禁止されてているわけでもないし、遺族に原因があるからその人に配慮する人は必要もないと考えるのなら撮影すべきでない理由はなさそうだ。しかし私を含め、多くの人が撮影に嫌悪感や違和感を抱くのは、私が思うに、人の死をエンターテインメントとして扱うことで、人の死の重みが軽くなると考えるからではないだろうか。あくまで予想だが、もしこの予想のように(死を今まで以上に軽く)考える人が一定数いるのであれば、自殺の撮影をやめるべきではなかろうか。死を軽く扱うべきではないのは言うまでもないだろう。

 

まとめると私は

A.人は助け合って生きており、いつ自分が当事者になるかわからないので、その保険として遺族に配慮する必要があるから。

B.当事者の心のメッセージを打ち消すかもしれないから。

C.死をエンターテインメントのして扱うことで、死の重みが軽くなることを避けるため。

と言う理由から、撮影は控えるべきだと思う。

 

最後に。

意見が行ったり来たりして読みにくかったかもしれません。なにぶんレポートの経験はあれど、自分の意見を中心とする記述は初めてです。申し訳ありません。

 

文責 雑記03

 

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